農機具の手放し方を比べる買取・下取り・鉄くず・回収・譲渡の費用と手間
- まず「売れるか」を確かめ、売れなければ処分する。この順番で損を防げます。
- 回収業者に頼むときは、家庭の物か、農業の仕事で出た物かで、必要な許可が違います。
- ナンバーの付いた機械は、市町村の窓口で返す手続き(標識返納)を忘れずに。
使わなくなった農機具を、どう手放すかをまとめました。 費用と手間を比べて選んでください。
結論:「売れるか確認 → 売れなければ処分」の順番で損しない
値段がつく機械を、お金を払って処分してしまうのはもったいないことです。 まず売れるかを確かめ、売れなかったものを処分します。
順番は次のとおりです。
- 機械の一覧と写真を用意する
- 買取業者やJA・販売店に、値段がつくかを聞く
- 値段がつかなかった機械は、下取り・鉄くず・許可のある業者への依頼を考える
- ナンバーの付いた機械は、市町村の窓口で返す手続きをする
農機具の処分方法5つの比較表
| 方法 | お金 | 手間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 買取業者に売る | 値段がつけば受け取れる | 少ない(申込と立ち会い) | 古物商の許可番号を確認 |
| JA・販売店の下取り・引取 | JA・店による | 少ない | 買い替えが前提のことがある |
| 鉄くず・スクラップ | 重さと鉄の単価による | 持ち込みは多い | 燃料・オイルを抜く |
| 回収業者 | 費用がかかる場合がある | 少ない | 市町村や県の許可を確認 |
| 知人に譲る | 相手と相談 | 相手による | 状態を正直に伝える |
「お金」の欄は、業者や地域、時期によって変わります。 自治体の案内でも、処理業者に頼むと費用がかかる場合があると書かれています。
方法1 買取業者に売る
値段がつけば、処分費を払わずに手放せます。 動かない機械でも、海外に売る先や部品を取る目的での需要があると説明している査定サービスもあります(ヒカカク!)。
中古品を買い取る業者は、都道府県の公安委員会(警察)の許可(古物商の許可)が必要です。 業者のサイトやチラシに、許可番号の表示があるかを確かめます。
売り先の選び方は農機具買取のおすすめ業者の比較にまとめています。 古い機械は古い農機具の買取、壊れた機械は動かない・壊れた農機具の買取もご覧ください。
方法2 JA・販売店に下取り・引取を頼む
JAや農機販売店で、買い替えのときの引き取り(下取り)や引取を頼めることがあります。 長野市も、農業機械は購入店・販売店・メーカーに相談し、引き取っていない場合は処理業者に頼むよう案内しています。
下取りは、新しい機械を買うことが前提のことが多いようです。 中古農機の買い取り相談を受けているJAや、組合員向けに中古農機の委託販売の仕組みを持つ地域もあります。 くわしくはJAと買取業者の違いをご覧ください。
方法3 鉄くず・スクラップとして出す
鉄として引き取ってもらう方法です。 値段は、重さと、その時期の鉄の単価で決まるのが一般的です。 自治体が、農機具や金属類を受け付ける業者を案内している例もあります(愛知県武豊町など)。 くわしくは鉄くず・スクラップに出す前にをご覧ください。
方法4 回収業者に頼む
市町村のごみの収集では、農機具を扱わない自治体があります。 長野市は農業機械を処理できないもの(処理困難物)とし、上越市は農機具を「市では収集しないもの」に入れています。 そのため、売れなかった機械を業者に回収してもらうことがあります。
回収業者に頼むときは、ごみを集める許可があるかを確かめます。 必要な許可は、何を出すかで違います。
- 家庭で出た物(家庭菜園の機械など):その市町村の「一般廃棄物収集運搬業の許可」が必要です。京都市は、ほかの市町村の許可では京都市の家庭のごみは集められないと案内しています
- 農業の仕事で出た物:上越市は、農業の仕事で出たものは産業廃棄物になるので、産業廃棄物処理業者に頼むよう案内しています
- 古物商の許可だけの業者:中古品を買い取る許可(古物商許可)では、家庭や事業所のごみは集められません(豊田市・環境省)
豊田市は、家庭のごみの許可では事業所のごみを、産業廃棄物の許可では家庭のごみを集められないとも書いています。 長野市のように、許可を持つ業者の一覧を公開している自治体もあります。
「無料回収」をうたう業者の中には、許可を持たない業者もいると、環境省や自治体が注意を呼びかけています。高い料金を請求されたり、回収された物が不法に捨てられたりした例があります。困ったときは消費者ホットライン188に相談できます。
「無料回収=違法」というわけではありません。 許可を持って回収している業者もいます。 大切なのは、頼む前に許可を確かめることです。
方法5 知人に譲る
近所で農業を続ける人に譲る方法もあります。 運ぶ方法と、あとで故障したときの話を先にしておきます。 今の状態(動くか、壊れているところ)を正直に伝えておくと、あとで気まずくなりにくくなります。
ナンバーの付いた機械を譲るときは、名義の手続きも必要です。 手続きは市町村によって違うので、税の窓口で確かめます。
小型の耕運機の場合
家庭菜園の小さな耕運機は、耕運機の処分方法にまとめています。 店の下取りや、自治体の扱いの例も載せています。
ナンバーのついた機械(トラクター等)の手続き
乗って運転する農耕用の機械は、小型特殊自動車として軽自動車税がかかります。 名張市の案内では、最高速度が時速35キロ未満で、乗るための装置があるもの(手押し式は除く)が対象です。 公道を走るかどうかにかかわらず、ナンバー(標識)を付ける決まりです。
4月1日に持っていると、その年度の税がかかる
軽自動車税は、毎年4月1日時点の持ち主にかかります。 名張市は、使わなくなったらすぐにナンバーを返し、登録を消す手続きをするよう案内しています。 手続きをしないと、税がかかり続けます。
手続きの窓口と持ち物の例
手続きの窓口は、市町村の税の担当です。 持ち物の例を挙げます(2026年9月29日に確認)。
- 岐阜県郡上市:市役所税務課か各振興事務所。郡上市のナンバープレート、標識交付証明書(なくても手続きできる)、持ち主の印鑑、本人確認書類。委任状がなくても代理の人が手続きできます。まだ払っていない軽自動車税があると、廃車の手続きができません
- 岩手県岩手町:税務会計課の窓口。ナンバープレート、印鑑、軽自動車標識返納書。ナンバーをなくした場合は税務会計課に連絡します
業者に売る場合は、業者が手続きをすることもあります。 誰が、いつまでにナンバーを返すのかを、契約のときに確かめておきます。
離農・実家じまいでまとめて処分するとき
親の農機具をまとめて片付けるときは、次の順番で進めると迷いにくくなります。
- 納屋や倉庫にある機械の一覧を作る(機種・メーカー・型式・ナンバーの有無)
- 1台ずつ、全体と型式の表示の写真を撮る
- 値段がつくかを、まとめて査定や、JA・販売店に聞く
- 売れるものと、処分するものに分ける
- 処分するものは、下取り・鉄くず・許可のある業者の中から選ぶ
- ナンバーの付いた機械は、市町村の窓口で返す手続きをする
家に来た業者に、その場でまとめて売るのは避けましょう。 トラブルの例と防ぎ方は農機具の買取でよくあるトラブルにまとめています。 軽トラも手放す場合は、軽トラは廃車か買取かもご覧ください。

一覧と写真があれば、遠くに住むご家族でも、電話やWebで相談を進めやすくなります。
まとめ
売れるかを確かめてから、残りを処分する順番が基本です。 回収業者に頼むときは、家庭の物か農業の仕事で出た物かで、必要な許可が違うことを覚えておきます。 売り先の比較は農機具買取のおすすめ業者の比較にまとめています。
参考にした資料
- ごみ処理施設で処理ができないもの(処理困難物)(長野市)(2026年9月29日に確認)
- 市では収集しないものの処分方法(上越市)(2026年9月29日に確認)
- 危険物・自動車部品・農機具などの処分(愛知県武豊町)(2026年9月29日に確認)
- 廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!(環境省)(2026年9月29日に確認)
- 違法な「無許可」の不用品回収業者を利用しないでください!(京都市)(2026年9月29日に確認)
- 違法な「無許可」の不用品回収業者を利用しないでください!(豊田市)(2026年9月29日に確認)
- 古物営業法(e-Gov法令検索)(2026年9月29日に確認)
- 農機具の買取(ヒカカク!/株式会社じげん)(2026年9月29日に確認)
- 農耕用小型特殊自動車について(名張市)(2026年9月29日に確認)
- 原動機付自転車・乗用トラクター等の農耕作業車・小型特殊自動車の取得・廃車・譲渡等の手続について(郡上市)(2026年9月29日に確認)
- 小型特殊自動車(トラクター等)とバイクを廃車するとき(岩手町)(2026年9月29日に確認)
- 中古農機具の販売(JA南アルプス市)(2026年9月29日に確認)
- 農業機械・鳥獣害対策(JA全農ひろしま)(2026年9月29日に確認)
よくある質問
「無料回収」の業者は違法ですか?
許可を持って回収している業者もいるため、一律に違法とは言えません。家庭の不用品なら市町村の一般廃棄物の許可、農業の仕事で出た物なら産業廃棄物の許可が必要です。古物商の許可ではごみは集められません。頼む前に、許可があるかを確認してください。
ナンバーのついたトラクターを処分するときは何が必要ですか?
小型特殊自動車のナンバーは、市町村の税の窓口で返す手続き(標識返納)が必要です。郡上市の例では、ナンバープレート、標識交付証明書、印鑑、本人確認書類を持っていきます。書類は市町村ごとに違うので、お住まいの市町村で確認してください。
親の農機具をまとめて処分したいのですが、何から始めればいいですか?
まず機械の一覧と写真を用意し、売れるものがあるかを査定で確かめてから、残りの処分方法を決めると進めやすくなります。ナンバーの付いた機械があれば、返す手続きも忘れずに行います。