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農機具を少しでも高く売るための準備と時期査定の前にできる7つのことと、公開されている買取実績1,878件で調べた「売る時期」

この記事の結論
  1. いちばん確かなのは、2〜3社に見積もりを頼んで比べることです。公開されている買取実績のまん中の額は、業者によって2倍以上違いました。
  2. 査定の前に、型式・使った時間を調べ、泥を落とし、付属品と書類をそろえます。高い修理や、自分での分解はしません。
  3. 公開実績1,878件を月別に見ると、トラクターは2〜4月がやや高めでした。ただし差は小さく、ほかの機種でははっきりしません。時期を待つより、早めに見積もりを取るほうが確かです。

農機具を少しでも高く売るために、査定の前にできることをまとめました。 準備のコツは、買取業者や比較サイトの公式ページの説明をもとにしています。 売る時期については、業者3社が公開している買取実績1,878件を、当サイトで月別に集計しました。

準備は写真と書類をそろえるところまで。あとは2〜3社の額を並べて比べましょう。

結論:一番効くのは「複数社に比べてもらうこと」

同じような機械でも、会社によって額が違うことがあります。 複数の会社に見てもらうのが、いちばん確かな方法です。

農機具買取査定君は、費用の解説ページで、業者によって得意な農機具や扱う量が違うため、買取価格に差が出ることがある、としています。 当サイトで業者3社の公開実績を集計したときも、トラクターのまん中の額は、業者によって約18万円から約51万円まで開きがありました。 くわしくはトラクターの買取相場にまとめています。

1社だけの額では、それが高いのか安いのか判断できません。

コツ1 型式・年式・使った時間を先に調べる

機械の名札(銘板)で型の名前(型式)を、使った時間のメーター(アワーメーター)で稼働時間を確かめます。 相場の目安は農機具買取相場の早見表をご覧ください。

農機具買取査定君は、査定の基準になるのは、その機械がいつ製造されたかだ、としています。 新しいほど中古の市場で求められ、高い値がつきやすい、とも説明しています。 年式(作られた年)は、銘板や取扱説明書、買ったときの書類で確かめられます。

農機具でっくは、査定で見るところとして、メーカーと型式、傷やへこみ、汚れ、稼働時間、タイヤのすり減り、エンジンのかかり具合やオイル漏れなどを挙げています。

調べたら、次の3枚の写真を撮っておくと、問い合わせのときに話が早く進みます。

  • 機械の全体
  • 銘板(型式がわかるように)
  • アワーメーター(数字が読めるように)

コツ2 泥や草を落とす

泥や草を落とし、状態が見えるようにします。 分解しての清掃は避けます。

各社の説明は、次のとおりです。

  • 農機具買取査定君は、きれいにして準備することが大切だとし、ワックスをかける、潤滑油を差すといった手入れもすすめています
  • 農機具でっくは、汚れを落としておいたほうが、よい査定結果になる可能性が高い、としています
  • ヒカカク!は、査定の前に泥や草を落とし、付属品をそろえておくだけでも、査定額が上がることが期待できる、としています

どの説明も、「汚れで状態が見えない」ことを避ける点では同じです。 泥を落とし、傷み具合や銘板、メーターが見える程度を目安にしてください。

コツ3 付属品・取扱説明書・購入時の書類をそろえる

付属品、取扱説明書、買ったときの書類をそろえておきます。

  • 取扱説明書
  • 保証書、納品書など買ったときの書類
  • 点検や修理の記録、領収書(あれば)
  • 鍵(予備の鍵も)
  • 付け替えて使う作業機(アタッチメント)や、予備の部品、カバー

アグリユースは、買ったときの付属品がそろっていると買取価格が高くなる傾向がある、としています。 保証書、取扱説明書、点検の記録(メンテナンスノート)も査定に関わる、と説明しています。 農機具でっくは、整備をしたときの領収書や明細書があれば、整備の履歴の証明になる、としています。

取扱説明書をなくしていても、メーカーのサイトで見られることがあります。 たとえばクボタは、公式サイトで取扱説明書のダウンロードと閲覧ができる、としています。

書類がなくても、査定はしてもらえます。 あるものを、ひとまとめにしておけば十分です。

コツ4 相見積もりを取る

複数の会社に見積もりを頼みます(相見積もり)。 まとめて査定(一括査定)を使うと、一度に頼めます。

公式サイトでは、農機具買取査定君は最大5社、ヒカカク!農機具一括査定は最大20社から査定が届く、としています。 高く売れるドットコムも、複数の業者から見積もりをとり、比べて1社に絞るのが基本だ、としています。 アグリユースは、複数の業者に頼むと相場の感覚がつかめ、適正な値段で売りやすくなる、と説明しています。

電話が多いのが心配な方は、連絡が1社からだけの業者と組み合わせる方法もあります。 見積もりは、できれば紙かメールで残してもらいましょう。 業者の選び方は農機具買取の業者の比べ方にまとめています。

コツ5 売る時期を考える

売る時期によって額が変わる、と説明している業者は多くあります。 ここでは、まず業者の説明を紹介し、そのあとで公開されている買取実績から確かめた結果を載せます。

業者の説明

  • ヒカカク!は、農機具の買取価格のページで、コンバインは稲刈り前の8〜9月、田植機は3〜5月、耕うん機・管理機は春先と秋口が、いちばん高く売れる時期だ、としています
  • 高く売れるドットコムは、忙しい時期(農繁期)が終わってから売るより、農業が始まる時期を見計らったほうが、求められる時期に売れる、としています
  • アグリユースは、田植え機は春先に、コンバインは収穫の秋に向けて求められやすい、としています。新しい型が出る前に売ることも挙げています

どれも「その機械を使う季節の前に売る」という考え方です。 ただ、これは業者の説明です。実際の買取額でどれくらい違うのかは、書かれていません。

公開実績1,878件を月別に集計しました

業者3社が自社のサイトで公開している買取実績から、買取日の月ごとに件数とまん中の額(中央値)を出しました。

業者運営会社トラクターコンバイン田植え機耕運機・管理機
高く売れるドットコム・農機具高く売れるドットコム株式会社マーケットエンタープライズ628件169件24件278件
農機具でっく株式会社KTMホールディングス192件119件55件34件
アグリユース株式会社アグリステージ248件87件37件7件
合計1,068件375件116件319件
  • 対象の期間: 買取日が2021年1月〜2026年9月のもの(年はまとめて、月だけで分けました)
  • 集めた日: 2026年9月29日
  • 件数が5件より少ない月と、1社だけのデータしかない月は、金額を出していません
  • 金額の集め方や、外したデータは、トラクターの買取相場と同じです

業者が公開している実績は、業者が選んで載せたものです。市場全体の取引ではありません。 また、「件数」は業者がその月の実績を何件載せたかで、売った人の数ではありません。

月別の件数

月トラクターコンバイン田植え機耕運機・管理機
1月68件20件16件22件
2月105件31件15件28件
3月133件36件16件29件
4月103件44件8件46件
5月97件31件14件31件
6月118件32件15件28件
7月78件31件7件20件
8月92件31件6件19件
9月71件22件4件31件
10月63件38件2件18件
11月74件30件7件27件
12月66件29件6件20件
  • トラクターは2〜6月に多く、いちばん多いのは3月でした
  • 耕運機・管理機は4月が多くなっていました
  • 田植え機は1〜6月に多く(116件中84件)、9〜10月はとても少なくなっていました
  • コンバインは、目立った山がありませんでした。業者ごとに多い月がばらばらでした

2026年は9月までの実績しかないため、1〜9月は1年分多く入っています。 2021〜2025年だけで数え直しても、傾向はほぼ同じでした。

月別の中央値

月トラクターコンバイン田植え機耕運機・管理機
1月約20.5万円約15万円約18.5万円約1.0万円
2月約30万円約18万円約8万円約1.0万円
3月約26万円約24.5万円約25万円約1.0万円
4月約25万円約39万円約9.5万円約1.1万円
5月約23万円約27万円約18.5万円約2.0万円
6月約28万円約20万円約15万円約1.0万円
7月約25万円約15万円約25万円約2.8万円
8月約36.5万円約20万円約12万円約2.0万円
9月約22.5万円約22万円—約1.1万円
10月約21万円約13万円——
11月約25万円約22.5万円約20万円約1.0万円
12月約22.5万円約50万円約20万円—
全体約25万円約20万円約16.5万円約1.1万円

「—」は、件数が5件より少ない月か、1社だけのデータの月です。 田植え機は、どの月も20件に届きません。1件の額でまん中の額が大きく動くので、目安としてご覧ください。

業者のかたよりが、月の額に混ざっている

この表の上下を、そのまま「売る時期の差」と読むことはできません。 月によって、どの業者の実績が多いかが大きく違うためです。

業者ごとのまん中の額は、もともと大きく違います。 コンバインでは、高く売れるドットコムが約10万円、農機具でっくが約23万円、アグリユースが約90万円でした。 そのため、アグリユースの実績が多い月は、まん中の額が上がります。

たとえば、コンバインの4月は44件中18件がアグリユースでしたが、7月は31件中1件だけでした。 高く売れるドットコムの実績だけで見ると、コンバインの4月も12月も約10万円で、ほかの月と変わりません。 コンバインの4月と12月の高さは、業者の違いの影響が混ざっている可能性が高いと考えています。

業者ごとに分けて比べた結果

そこで、業者ごとに分けて、業者が「売りどき」と説明している時期と、それ以外の月を比べました。

機種と時期業者その時期それ以外の月
トラクター 2〜4月高く売れるドットコム約20万円(214件)約17万円(414件)
農機具でっく約42万円(59件)約31万円(133件)
アグリユース約55.5万円(68件)約50万円(180件)
コンバイン 8〜9月高く売れるドットコム約8万円(19件)約10万円(150件)
農機具でっく約23万円(25件)約23万円(94件)
アグリユース約100万円(9件)約90万円(78件)
田植え機 3〜5月高く売れるドットコム約4万円(7件)約10万円(17件)
農機具でっく約23.5万円(14件)約15万円(41件)
アグリユース約36万円(17件)約26.5万円(20件)
耕運機・管理機 3〜4月と9〜10月高く売れるドットコム約1.0万円(111件)約1.0万円(167件)
農機具でっく約3万円(9件)約4.5万円(25件)

トラクターの「2〜4月」と、耕運機・管理機の「3〜4月と9〜10月」は、業者の説明(農業が始まる時期、春先と秋口)を、当サイトで月にあてはめたものです。

  • トラクター: 3社とも、2〜4月のほうがまん中の額が少し高めでした。ただし、年によっては逆の年もありました。30〜50馬力の大きな機械では、2〜4月のほうが低めでした
  • コンバイン: 稲刈り前の8〜9月が高いという形は、見えませんでした
  • 田植え機: 2社は3〜5月が高め、1社は低めで、向きがそろいませんでした。件数も少なめです
  • 耕運機・管理機: 時期による差は見えませんでした。額がもともと1万円前後と小さいこともあります

この集計から言えること・言えないこと

言えるのは、次のところまでです。

  • 公開されている実績では、トラクターは2〜4月がやや高めだった
  • ほかの機種では、時期によるはっきりした差は見えなかった
  • 月別のまん中の額には、業者の違いの影響が混ざっている

一方で、次のことは言えません。

  • 「何月に売ると何割高い」といった数字。業者が選んで載せた実績で、市場全体ではないためです
  • 時期そのものが額の差の原因かどうか。機械の大きさ、状態、地域、年の違いまでは、そろえきれていません
  • トラクターの差が、たまたまではないと言い切ること。3か月の区切り方を変えると差は小さくなり、2〜4月は12通りの区切り方の中で差がいちばん大きい区切りでした

2026年10〜12月の実績がそろったら、同じ方法で集計し直します。

時期を待つより、早めに見積もりを取る

時期による差は、あったとしても小さいと考えています。 一方で、年式は毎年1年ずつ古くなります。 「もう使わない」と決めたら、次の季節を待たずに見積もりを取っておくと、比べる時間がとれます。 見積もりを取っても、売るかどうかは、額を見てから決められます。

次の季節まで置いておく場合は、傷みを進ませない保管が大切です。 クボタは、1か月以上使わないトラクターについて、バッテリーのマイナス端子を外す、月に一度を目安にエンジンをかける、といった手入れを説明しています。 くわしい手入れは、機械の取扱説明書で確かめてください。

コツ6 まとめて売る

ほかにも使わない機械があれば、まとめて見てもらいます。

  • ヒカカク!は、数が多いほど運ぶ費用が分散し、結果的に査定額が上がる傾向があるため、1点ずつよりまとめて出したほうが有利だ、としています
  • 農機具でっくは、ほかの農機具もいっしょに査定に出すと、相場よりやや高めの価格がつきやすい、としています
  • 農機具買取査定君は、1社に複数台を買い取ってもらうことも、1台ずつ別の会社に売ることもできる、としています

機械ごとに一番高い会社を選ぶか、まとめて1社に頼むかは、見積もりを並べてから決められます。

コツ7 査定員に伝えること

整備の履歴や、屋根の下で保管していたかなどを伝えます。

  • いつ、どこで整備や修理をしたか
  • 屋根のある納屋で保管していたか
  • 調子の悪いところ(エンジンのかかりが悪い、など)

高く売れるドットコムとアグリユースは、どちらも、雨風を避けて屋内や乾燥した場所で保管することをすすめています。 屋根の下で保管していたなら、そのことを伝えましょう。

調子の悪いところは、隠さずに伝えます。 ヒカカク!は、実物をくわしく見て、はじめに思っていた状態と違っていた場合は、買取価格が変わることがある、としています。 先に伝えておけば、あとで額が大きく下がることを防げます。

見積もりを比べるときに見るところ

見積もりがそろったら、買取額だけでなく、次のことも並べて比べます。

  • 買取額から引かれるお金(運び出す費用・出張費・手数料)があるか
  • 引き取りに来る日
  • 代金を受け取る日と方法(その場で現金か、後日の振り込みか)
  • 契約したあとにキャンセルできるか
  • ナンバーのついた機械の場合、ナンバーの返納を代わりにしてくれるか

額が少し高くても、引かれるお金があると、手元に残る額は逆になることがあります。 わからない項目は、電話で聞いて、日付と相手の名前をメモしておきます。

査定の当日に気をつけること

査定の日は、次のことを心がけると、落ち着いて話を聞けます。

  • 機械のまわりを片付け、査定員が一周して見られるようにしておく
  • 鍵と、まとめておいた書類を手元に用意する
  • できれば家族にも同席してもらう
  • 額を聞いたら、何を見てその額になったのか、理由を聞く
  • その場で決めなくてもかまいません。ほかの見積もりを見てから返事をする、と伝えます

家族が代わりに売るとき

親の機械を子どもが代わりに売るときは、次のことを先に決めておくと、話がこじれにくくなります。

  • 持ち主が誰か。売ることに持ち主が納得しているか
  • 査定に立ち会う人
  • 契約書にサインする人と、代金を受け取る口座

持ち主以外が契約するときは、持ち主の同意や委任の書類を求められることがあります。 必要なものは業者によって違うので、申し込むときに確かめておきましょう。 遠くに住んでいる場合は、写真でおおよその額を聞けるかを業者に問い合わせ、立ち会える日にまとめて査定してもらう方法もあります。

逆にやらないほうがいいこと

高い修理をすること、部品を外して別に売ろうとすることは避けます。

  • 高い修理:修理代が、査定額の上がり分より高くつくことがあります。農機具でっくも、自分の判断で直すと、かえって評価が低くなることがある、としています。まずはそのままの状態で査定を取ります
  • 部品や作業機を外す:そろっているほうが見てもらいやすくなります。外すかどうかは、査定のときに相談します
  • 1社目の額で、その場で決める:ほかの額を見てからでも遅くありません
  • 口約束だけで決める:運び出す費用や出張費が引かれないか、キャンセルできるかを、契約書で確かめます

契約や勧誘で困ったときは、消費者ホットライン(188)で、お近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。

まとめ

準備をしてから、複数の会社に比べてもらいます。 型式・年式・使った時間を調べ、泥を落とし、写真と書類をそろえ、2〜3社の額を並べて決めてください。 売る時期は、公開実績で見るかぎり、待つほどの差ははっきりしませんでした。使わないと決めたら、早めに見積もりを取るのがおすすめです。

機種ごとの売り方はトラクターの買取相場、コンバインの買取、田植え機の買取、耕運機の買取、売り先の選び方は農機具買取の業者の比べ方にまとめています。

参考にした資料

準備のコツ・売る時期の説明

集計に使った公開の買取実績

よくある質問

査定の前に修理したほうがいいですか?

おすすめしません。修理代が、査定額の上がり分を上回ることがあります。自分で直すと、かえって評価が下がることがあると説明している業者もあります。まずは、そのままの状態で査定を取ってください。

どこまで掃除すればいいですか?

泥や草を落とし、傷み具合や銘板、使った時間のメーターが見える程度が目安です。分解しての清掃は避けてください。

農機具が高く売れる時期はありますか?

業者の多くは、その機械を使う季節の前が売りどきだと説明しています。当サイトで公開実績1,878件を月別に集計したところ、トラクターは2〜4月がやや高めでしたが、差は小さく、年によっては逆でした。コンバイン・田植え機・耕運機では、はっきりした差は見えませんでした。

査定額を上げてほしいと交渉してもいいですか?

ほかの会社の見積書があれば、それを見せて相談することはできます。無理に値上げを迫るより、条件(引き取りの日や、引かれる費用)もあわせて比べるほうが、納得して決めやすくなります。

書いた人:農機・軽トラ売却ナビ編集部
買取業者ではない立場で、公的な資料や業者の公式情報をもとに比べています。運営者について